Vol.12 鯉野 叔子さん

 鯉野 叔子(こいの よしこ)さん

NPOジャパンハーブソサエティー認定上級ハーブインストラクター
ハーブインストラクター中級養成校
ハーブ工房リネア代表
金沢中日文化センター講師
英国園芸療法指導者
石川県ふるさとの匠認定者
ホームページアドレス http://linea.koino.jp

Q1ハーブとの出会いと思い出を教えてください

A まだ学生の頃、ベトナムへ行った時です。朝食に出されたヌードルの上に、山の様に盛られた香草がありました。独特の強い香りに私と友人は争って取り除いたものです。これがコリアンダーと言い、ハーブであることはずっと後で知ることになります。その数年後、たまたま寄ったアジア料理の店で香りを嗅ぎその時のことを思い出しました。香りが記憶を呼び起こすこの不思議な力に驚き、魅了されたのがハーブとの出会いです。

全国生涯学習フェスティバルの交流会で秋篠宮さまにお話する機会に恵まれ、ハーブについてお尋ねしたところ「唐辛子とシャンツァイを育てています。」とお話していただいたことも印象深い思い出です。

Q2ハーブの好きなところはどんなところですか?

A シンプルな美しさと尽きることがない魅力です。夕暮れ時のハーブガーデンでボリジの花を見ると心が落ち着きます。雨上がりにスイートブライヤーの匂い立つ香りも私の心を幸せな気分にさせてくれます。ハーブと過ごす一番好きなひとときです。そしてハーブのもう一つの魅力は「学んでも、学んでも、学び切れない」奥深い所です。ハーブに接していると常に新しい魅力と興味が湧いてきて心躍らされます。

◆ ハーブ工房リネアのガーデン

Q3 仕事にしようと思ったきっかけはなんですか?
A 家族で始めたハーブガーデンで、北陸ではどのようなハーブが育つのか、外国の雑誌なども参考にしてジャングルのようなハーブガーデンを作りました。

ハーブガーデンには、これまで祖父母が生活の中で使っていた桶や樽などを取り入れて自然な雰囲気を大切にしました。

その後、ハーブガーデンに訪れる人も増え「ハーブについて教えてほしい」と言われ公民館やカルチャーセンターでハーブ講座を始めました。カルチャーセンターの講座は20数年続いています。地域の小学校からも声がかかり、非常勤講師として金沢市内の小学校でハーブガーデン作りやハーブ栽培の指導をさせて頂きました。

工房リネアのHPやハーブガーデンをみて、雑誌の掲載、ラジオやテレビ番組の出演、ガーデンデザイン・施工等も頼まれました。好きなことで仕事ができることは幸せなことだと思っています。

◆ 設計・植栽デザイン・施工を手掛けた福祉施設のガーデン

Q4JHS会員になって良かったと思う事を教えてください。
A JHSの入会は1996年の秋ですが、当時は金沢でハーブを学ぶ所がなく、お茶ノ水の出版社が主催するハーブ講座に通って勉強しました。その修了時に高橋良孝先生の「ジャパンハーブソサエティ―のご案内」を頂きすぐに申込みました。

JHS設立15周年記念で、英国ハーブソサエティー会長のデ二・バウンさんのお話を聞いてアカデミックなソサエティーの活動に魅了されました。また資格認定制度委員会や支部担当理事の活動を通して、坂出富美子元理事長始め女性として共感、尊敬できる素敵な人たちにお会いしたこともJHSに入会してよかったことです。

地元で金沢支部をたちあげ、それまでずっと一人で参加していたハーブセミナーなどに金沢の仲間たちと参加できるようになりました。

◆ ハーブ工房リネアのガーデンで実習する様子

Q5現在、どのような活動をしていますか?

A 金沢産のハーブティ―を作りかったので、ハーブガーデンで育てたハーブをフリーズドライ加工しハーブティ―を作り始めました。数種類ですが、安全で美味しいハーブティ―を提供しています。

ハーブには、コミュニケーション作りの場に活用できる豊かな要素がたくさんあります。このことを活用して学生時代に学んだ社会福祉とハーブや園芸療法の資格を活かして、ディーサービスで利用者さんを対象に園芸療法をおこなっています。ハーブと社会の一つの関わり方として、実践してきたプログラムをまとめていきたいと思っています。

Q6 これからハーブを学び、指導者になりたい人へアドバイスをお願いします。

A たくさんのハーブに触れて、JHSの教科書を片手に楽しく学んでください。休日は、ハーブガーデンや植物園めぐりなどをして身近な自然の移り変わりを感じとることも大切です。私たちは自然のサイクルの中で生きています。貴方にあった暮らしかたでハーブを伝えてください。