Vol.5 宍戸 多恵子さん

宍戸 多恵子さん インタビュー
JHS上級指導者養成校
HERB AND CRAFTハーブスクール 代表
http://herbandcraft.com/

HERB AND CRAFフィトセラピーカレッジ 代表
株式会社 HERB AND CRAFT 代表取締役
公立大学法人宮城大学 講師
仙台総合ビジネス公務員専門学校 非常勤講師
日本園芸療法研修会会員
人間・植物関係学会 会員
日本園芸療法学会会員
日本感性福祉学会会員
日本統合医療学会会員

資格
NPO ジャパンハーブソサエティー

  • 上級ハーブインストラクター
  • 専門認定登録園芸療法士
ハーブとの出会いを教えて下さい。
カリフォルニアに住んでいるときに友人達とクッキングを習うことになり、一時間程遠い友人宅へ集まり、ミセスマギー先生が来て下さってクッキングを教えて頂きました。
それがどれもハーブやスパイスを使ったお料理で、美味しいのです。
出来上がったお料理を食べながら、英会話の勉強になり、二度おいしい会でした。
新鮮な野菜がたくさんあるスーパーではハーブがいっぱい売られており、季節になると野菜売り場にハーブの苗が一緒にありました。
庭に植えてみたり、お料理に使ったりしたのです。
その頃入っていたサークル「home & gerden」では毎月会員のお宅へ伺い、お庭やおうちを見せて頂きいろんなテーマでお話をしたり、レシピの交換をしたりしました。
素敵なお庭にはハーブが植えられていて良い香りがしていました。
お部屋にはポプリの大きな人形が飾ってあったり、おもてなしのポプリが置いてありました。
ポプリのレシピが欲しくて何冊もハーブの本を求め、精油を求めに友人の花屋さんと市場に行ったりしました。
ハーブの本を辞書を片手に調べ楽しい時間でした。
いまも大切な思い出です。
ハーブにまつわる思い出を教えて下さい。
約30年ハーブと共に過ごしてきましたから、沢山の思い出があります。
私がハーブを育てているのを聞いて近くの通所の施設の方が、自分たちの畑にハーブを植えたいからと訪ねてきました。
そして一緒に畑作りをしました。
河川敷の畑で彼らと一緒にハーブガーデン作りをすると「いい匂いがする」といってニコニコ笑ってくれます。
お散歩にきた別のグループの自閉症の方は私の腕をとって離しません。
苑まで一緒に送って行ったりしました。
しばらくして園芸療法実践者の会の勉強会が始まるとき、澤田先生からお声をかけて頂き私が園芸療法を学ぶきっかけになりました。
それから20年数年をこえて東日本大震災を体験しました。
私は東日本大震災の直後から「みどりの手をつなごう」というプロジェクトを立ち上げ、被災地にハーブや花、野菜の種や苗を届けておりますが、石巻、気仙沼、他数箇所に伺っておりますが、皆様の植物にふれた時の笑顔がわすれられません。
ハーブの香りは皆のこころにすーっと幸せを届けてくれます。
ハーブの好きなところはどんなところですか?
ハーブは香りも味も大好きです。
種をまいて芽が出ると嬉しいし、育ってきて話しかけると手に触れて良い香りがしてくるし、花の色、葉の色様々な色も美しいし、柔らかいところを摘んでお茶を飲んだり、お料理に入れて味を楽しんだり、そしてたくさん収穫したときは染色。
染めている途中も良い香りで、色がでるとはっと目を見張ります。
自然からの色の贈り物です。
ハーブは五感全部を楽しませてくれる素晴らしい植物です。
仕事にしようと思ったきっかけはなんですか?
帰国後1989年JHS会員となり、独自に研究を重ね、1991年にアトリエ HERB AND CRAFTを設立しました。
初めはアトリエをつくり趣味で自分の作品作りから始めました。
まだ苗さえも手軽に手に入らない頃で珍しかったのと、楽しそうだから教えて欲しいと言われて教室をスタート致しました。
それから近くの市民センターの方がお見えになり、ハーブの講座をしたいと依頼されました。
仙台市内のまた宮城県内の市民センターや公民館から講座の依頼が沢山有り、専門学校のフラワー科の授業を依頼されました。
いつのまにかお仕事が増えていったのです。
テレビ出演や新聞掲載など色々させて頂きました。
JHS会員になって良かったと思う事を教えて下さい。
私がJHSを知ったのはアメリカから帰ってきてから数年たってからでした。
そのころアメリカ、カリフォルニアのソサエティーに入っていて、日本にもある事を知り、1989年に会員になりました。
東京の有楽町にある成城クラブでの例会が、とても勉強になり、沢山の知り合いやお友達ができました。
仙台に住んでいて4世代のお嫁さんでしたから、その頃はしょっちゅう行くとこはできませんでしたが、企業の方たちがこれからのハーブについて真剣に学ばれていて、それから資格制度の準備委員会、資格認定委員会、スクール委員会、そして理事をさせて頂き、沢山の方々と共にお仕事やイベントや月例会などをさせて頂いて、たくさんの方々との出会い、そして友情、に感謝するばかりです。
全国にハーブを通じた親しい友人がたくさんできたことに感謝しております。
現在、どの様な活動をしていますか?
東日本大震災を体験し、これまで培ってきたハーブや園芸療法など植物の力を借りて皆に笑顔と生きる力を届けに行きたいと考え、「みどりの手をつなごう」というプロジェクトを立ち上げました。
被災地に花、ハーブ、野菜などの種や苗を届け、共に心の絆をつなぎ、手をつないでいこうと思って活動を続けております。
また、植物の力で人や地域に役に立ちたいという思いで、「いのちを守る森の防潮堤」をつくる活動に参加しています。
最初は50人弱の仲間で始めた、津波に負けずに生き残った植物からどんぐりを拾い、種を蒔き育てたのです。
3年目からは自治体の「第1回 千年希望の丘植樹祭」に加わり参加して、第3回となる今年は6000人に及ぶ人たちが全国からボランティアで参加してくれています。
周りは公園に整備されたところも出来、慰霊の碑が建ちました。
まだまだ沿岸の植樹は続きます。
これからハーブを学び、指導者になりたい人へのアドバイスをお願いします。
ハーブを知ろうと思うと沢山の情報がある時代になりました。
著書も沢山有り、インターネットなどにも沢山の情報が溢れています。
とても豊かで幸せな学びの時代です。
ただ溢れている情報から、正しい事を探さなければなりませんから信頼できる教科書(JHSの教科書)を選び、学ぶことが大切になると思います。
そして、栽培も料理も自分で行うことが覚えること、になると思います。
授業で学んだ中から自分の好きな分野をより深く研究していくのも楽しいかと思います。

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